日本食の”うま味”について知りたい時に読みたい本。「だしの神秘」伏木亨(朝日新書)
日本人ならば、味噌汁をはじめとした汁物を頂いたときに、「おいしいなぁ」と深く実感する人も多い。しかし、実のところ、そのうま味についてよくよく知っている人はあまりいないのではないか。
料理人や料理評論家ならいざ知らず、普通の日本人は、意外にも「うま味」そして、その材料となる「だし」について、あまり知らないのではないか。言葉としては、「うま味」「だし」等々というけれど、それ以上の知識は持ち合わせていないのが実態ではないか。
そう思い手に取ったのが本書、「だしの神秘」伏木亨(朝日新書)という新書です。読んでみて、日本の「だし」の背景にある様々な事柄を知ることができました。また、日本の「だし」の他に、世界の他国にはそれぞれの「だし」があることも知りました。
今回は、日本の「だし」、世界の「だし」についてご紹介。
<目次>
1.日本の「だし」は、昆布と鰹節
2.フランス料理の「だし」ブイヨンとフォン
3.等級をつける中国の「だし」
4.韓国の「だし」はクック
5.本書は他にも…
1.日本の「だし」は、昆布と鰹節
まずは日本の「だし」から紹介しましょう。現代の日本の「だし」は、干し昆布と鰹節のあわせだしが主です。それらの双方を得て、非常に特徴的な形で完成したものとなります。うま味の相乗効果を巧妙に活用した形で完成されたものと言われています。
日本では古くから昆布と鰹節が単独で主要な「だし」の材料として使われてました。し…