社会人として働く中で、異動という名の転機は避けられないものです。多くの場合、それは自分の成長のチャンスでもあり、未知の分野に挑戦する良い機会とされます。
しかし、その異動が全く未経験の業務に飛び込むものだった場合、期待よりも不安と失敗のほうが先に押し寄せてくるのが現実です。
私もそのような状況に直面しています。それまで順調に進んでいた業務から外され、新しい部署での環境に慣れるまでには数多くの試練がありました。ここでは、異動後にぶつかる壁と、それを乗り越えるための心構えや行動について私の経験を共有したいと思います。
今までの当たり前が通用しない新天地
異動先では、これまでの経験やスキルが思った以上に役立たない場面が多くありました。それだけでなく、これまで当たり前にできていたコミュニケーションも壁にぶつかりました。
例えば、以前の部署では「これをお願いします」と依頼すればスムーズに進んでいた作業が、新しい部署では進まない。依頼内容が伝わっていないのか、それともタイミングが悪いのかと悩む日々です。
また、異動先では部署間の調整も求められます。しかし、認識のズレからお叱りを受けることもしばしば。「もっと早く進めてくれ」と言われることもありますが、こちらとしては十分早いと考えていたりして、思考の違いに苦しむこともあります。
周囲の「憐みの目」に苦しむ日々
そんな中、ふと気づいたのは、周囲の人々の自分を見る目が変わってきたことです。
業務の中で必死に取り組むも、上手くいかない場面が多いためか、いつしか同僚や上司の視線に憐みの感情が混ざっていることを感じるようになりました。
例えば、会議で何かミスを指摘された際、以前なら「次に気をつけてね」と明るく言われていたのが、今では「大変そうだね」と肩を叩かれることが増えました。一見すると優しさのように見えるこの態度ですが、私にとっては「うまくいっていない」という事実を突きつけられているようで、正直心理的に辛いです。
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落ち込みそうな心を立て直すために
このような状況に直面したとき、最も重要なのは「胆力」を鍛えることです。
「胆力」とは、どんな困難な状況でも平静を保ち、冷静な判断を下せる力のことです。私は、周囲の視線を気にしすぎないよう意識することから始めました。
多くの人は意外と他人のことをそこまで気にしていません。私が「憐みの目だ」と感じる視線も、実は相手にとってはただの気遣いかもしれません。
それでも、自分自身で「情けない」と思い込んでしまうと、その感情がさらなるストレスを生む悪循環に陥ります。そこで私は「視線を気にしない」「今できることに集中する」と自分に言い聞かせることにしました。
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行動を変えることの重要性
ただし、心理的に落ち着くだけでは不十分です。行動も変えなければならないと痛感しました。これまでのやり方を押し通しても、新しい環境では通用しないことが分かったからです。
特に、「周囲を巻き込む仕組みづくり」が必要だと感じています。
以前の部署では、自分一人で業務を完結させることが多かったですが、新しい部署ではチームで動く必要があります。そのためには、依頼内容を明確に伝える、進捗をこまめに確認する、時には指示を補足するなど、従来のやり方以上に丁寧さが求められます。
さらに、コミュニケーションの仕方も改善する必要があります。ただ「お願いする」のではなく、相手の立場に配慮しつつ、目的や期待する成果を明確に伝えることが重要です。「厳しさ」と「信頼感」のバランスを意識して言葉を選ぶよう心がけています。
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諸先輩方の言葉の重み
異動直後、上司や先輩から「頑張れ」「何かあったら相談して」と何度も声をかけられました。そのときは「ありがたいな」程度に受け取っていましたが、今振り返ると、その言葉には深い意味が込められていたのだと気づきます。
彼らも同じような苦労を経験してきたのでしょう。だからこそ、無理に具体的なアドバイスをせず、こちらが気づけるように促してくれたのだと思います。
その言葉を胸に、今私は「ここからどう巻き返すか」に全力を注ごうとしています。
「率直さ」と「優しさ」を持った行動へ
異動後の苦しい状況に直面したとき、鍵となるのは行動を変えることです。そしてその行動には次の3つの要素を持たせるべきだと感じました。
1. 率直さを持つ
回りくどい言い方や、気を使いすぎたあいまいな表現は避け、具体的かつ明確に伝えること。
2. 優しさを忘れない
ただ厳しく指摘するのではなく、信頼関係を築く言動を意識すること。
3. 仕組み化する
一人で抱え込むのではなく、チーム全体で効率よく動ける環境を作ること。
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最後に
異動で新しい環境に飛び込むことは、誰にとっても少なからず心理的負担が伴います。しかし、逆境に負けず行動を変えていけば、必ず状況は良い方向に向かいます。同じような苦労をしている方々に、少しでも励ましとヒントを届けられれば幸いです。
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