結婚。今ではもはや社会的な義務感からスタートする人の方が多いのではないだろうか? ましてや、心からのつながりを求めるなんて、どこか非現実的に感じられる時代。そんな「結婚」という概念を、AIが解決できると思っているのが、東京都が開発した婚活アプリ「TOKYO縁結び」の本質だ。
2024年9月20日、東京都が自信を持ってリリースしたこのAIマッチングアプリ。これまでの婚活といえば、結婚相談所やお見合いイベントだったのに、今度はAIに頼ろうというのだから、ちょっと不安じゃないか?
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AIで選ばれる「理想の相手」って、本当に理想?
「TOKYO縁結び」の一番のウリは、AIによるマッチング。価値観診断テストをもとにAIが相性の良い相手を提案するというのだが、AIに「理想の結婚相手」を選ばせる時代が来たのかと思うと、なんだか胸が締め付けられる。結局、人間の感情や価値観なんて機械に本当に理解できるのだろうか? そこに大きな疑問が残る。
そして、AIだけではない。もちろん、このアプリには厳格な本人確認が求められる。独身証明書や本人確認書類、オンライン面談など、婚活の「安心感」を提供しているらしいが、果たしてこれが本当に安心なのか? 婚活における「信頼性」を高めるための一手だと言われているが、逆にプライバシーや個人情報の取り扱いに懸念を感じるのは私だけだろうか。
コストパフォーマンスが良い? それとも安すぎて不安?
登録料が11,000円で2年間利用可能という「コストパフォーマンス」も、ひと昔前の高額な婚活サービスに比べて確かにリーズナブルだ。
しかし、この「リーズナブルさ」にも疑問を抱かずにはいられない。東京都という大きな自治体がバックにいるからこその安心感かもしれないが、逆に言えば税金がどこかで使われているのではないかという不安も浮かぶ。
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少子高齢化対策として本当に効果があるのか?
「TOKYO縁結び」の登場により、婚活に不安を感じていた人々が気軽に利用できるようになったと言われているが、本当にこれで少子高齢化対策が進むのだろうか?
どうしても、こうした施策に頼るだけで問題が解決するとは思えない。補助金が支給される「結婚新生活支援事業」に関しても、若い世代をターゲットにしているというが、単純にお金をばら撒いても根本的な問題は解決しないだろう。
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もしAIが紹介する相手に満足できなかったら、自分のプロフィールを見直すことが重要だ。成功への第一歩。
AI時代の婚活、果たして本当に幸せになれるのか?
「TOKYO縁結び」は、効率的なマッチングと自治体の信頼を謳っているが、結局はAIの力に依存する時代が到来したに過ぎない。婚活の本質は、AIやテクノロジーの進化だけでは決して満たされない部分も多い。
効率よく理想的な相手を見つけられるかもしれないが、本当に心からの結婚を望む人々にとって、AIに頼る婚活が本当に幸せをもたらすのだろうか。
少し考えてみてほしい。結婚という人生の大きな選択を、機械に任せることが本当に幸せへの近道なのか。結婚はAIで解決できるものではないという意見を持つ人も少なくないはずだ。
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